第9回 IUPAC 化学生物学国際シンポジウム


北京で開催された「9th IUPAC 化学生物国際シンポジウム」(2012年8月25日~29日)において、「small RNAs and epigenetics(役に立たないジャンクと呼ばれていた染色体{ヒトゲノム}DNA領域についての化学的解析について)」と題して、弊社取締役 多比良和誠が招待講演を行いました。

 2012年9月6日の朝日新聞朝刊一面に「ヒトゲノム8割に役割 ---- 国際チーム発表 遺伝子の働き調節 ----病気解明に一歩」記事が掲載されていますが、多比良取締役は世界に先駆けて「これまで役に立たないジャンクと呼ばれている染色体DNA領域はジャンクじゃない」と訴えてきました。ヒトゲノム計画(Human Genome Project)は、ヒトのゲノムの全塩基配列を解析するプロジェクトで、1953年のDNAの二重らせん構造の発見から50周年となる2003年に完了しました。ゲノム解析の結果、ヒトの遺伝子数が予想よりはるかに少ない2万個程度であり、ハエと大差がなかったことと、遺伝子の設計図が占めるゲノムの割合は、たかだか2%にすぎず、98%が役に立っていない(ジャンク)と思われ、全世界の科学者を驚かせました。

 弊社「役員のプロフィール」の

多比良資料(PDF)  2003_taira_lecture.pdf (5.8MB)」に、多比良取締役が2003年9月に文部科学省・科学技術政策研究所で行った講演記録がありますが、その4頁目に「私は、ジャンクDNAという言葉自体が、もう近々なくなると思っています。ジャンクは必ずしもジャンクではない。要らない領域と思われていたところに、細胞の中で、本当に大事な配列があるということです。」と、ヒトゲノム計画が完了した直後(2003年)から指摘していました。

IUPAC (国際純正・応用科学連合:International Union of Pure and Applied Chemistry)は、1919年に設立された、化学者の国際学術機関である。各国の化学の学会がその会員となっている。国際科学会議のInternational Scientific Unionsのひとつ。元素名や化合物名についての国際基準(IUPAC命名法)を制定している組織として有名。物理及び生物物理化学、 無機化学、有機及び生物分子化学、巨大分子、分析化学、化学及び環境、化学及び健康、化学命名法及び化学構造表現の8つの部会があり、理事会と評議会によって運営されている。(以上、Wikipediaより)

 


ノーベル賞受賞者であるAda Yonath教授(右端の女性)が多比良取締役の講演を高く評価して、講演者だけのパーティーの席で自ら多比良取締役の席に挨拶に来て「素晴らしい講演だった」と伝えてくれました。左端が今回のIUPAC国際学会の主催者である張礼和(Li-He Zhang)北京大学教授(元北京大学副学長、元北京大学薬学院院長)です。張礼和教授と多比良取締役の間が「IUPAC有機及び生物分子化学」部門長であり、本シンポジウムのCo-organizerでもある英国シェフィールド大学のMichael Blackburn教授です。

 多比良取締役はYonath教授の講演を以前(ノーベル賞を受賞する前に)聞いたことがあったのですが、個人的に話したのは今回が初めてでした。彼女は4人目の女性のノーベル化学賞受賞者だそうです(一番目はキューリー夫人)。思ったより女性のノーベル賞受賞者は少ないのですね。Yonath教授は「昨年の3月11日に筑波大学で講演をしている時に地震に遭遇したが、建物からは避難したものの、皆の希望で、屋外で講演を続けた」こと(日本の学生はパニックにならず真面目だったこと)などを話してくれました。

 


北京では女性の活躍が目立ちました。上の写真は、学会参加者(約千人)全員のバンケットでの模様ですが、右端の女性は北京大学医学部教授で、北京大学・副学長のProf. Yang Ke です。日本では女性の管理職は稀ですね。

 張先生(左から3人目)の右隣は張夫人で、生化学の教授でした。張先生の左隣には(挨拶のために舞台に向かったので空席になっていますが)Co-organizerのMichael Blackburn教授が座り、その左に(野口英世がいた)ペンシルバニア大学のIvan Dmochowski教授、次いで多比良取締役、その隣(写真左端)がWojciech Stec教授=ポーランド科学アカデミーの副会長です。